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経済

東電「數土続投」に落胆の面々

「原子力再編」に戦慄する電力業界

2015年4月号

 あの誤報から三カ月が経っても、電力業界の〝期待〟は収まるどころか、膨らむ一方である。 「この通り、俺は元気だ!」  一月六日、ホテルニューオータニ(東京・紀尾井町)で開かれた経団連など経済三団体共催の賀詞交歓会―。多くの経営者、政治家、官僚でごった返す中、メディアに囲まれた東京電力の數土文夫会長は、とりわけ産経新聞記者に向かってこう気炎を上げた。  というのも、この日の同紙朝刊一面に「東電会長 藤森氏で調整」という三段見出しが躍っていたからだ。數土氏は健康上の理由で六月に退任し、次期会長は東電社外取締役の藤森義明LIXILグループ社長が襲うと報じられていた。寝耳に水の「數土更迭」説に官民の電力関係者は色めき立った。  しかし、経済産業省の宮沢洋一大臣は同日午後の閣議後の記者会見で「何とも不思議な報道」と一蹴。それに呼応するように、數土氏本人が賀詞交歓会に現れ、怒髪天を衝く勢いで全面否定した。産経は翌日、やむなく誤報を認め、一方、朝日新聞と読売新聞は九日付朝刊で數土氏のインタビュー記事を掲載、続投への意欲を伝えた。 「官邸は更迭したい」という風聞・・・