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社会・文化

米ボクシング界に「新黒幕」登場

「メイウェザーVSパッキャオ」の裏事情

2015年4月号

 今年五月二日、掛け値なしに「歴史的」なタイトルマッチが行われる。片や五階級制覇の米国の英雄フロイド・メイウェザー。もう一方は六階級を制覇してきたフィリピンの怪物マニー・パッキャオという対戦がようやく実現する。ケタ外れの巨額マネーが動く前代未聞のスポーツイベント。裏には、今後の米ボクシング界を牛耳ろうとする「黒幕」までおりファンならずとも注目に値する。 「謎の人物」アル・ヘイモン  両者が対戦するという話は、二〇〇九年ごろから浮かんでは消えてきた。最大の理由は「戦う必要がなかった」からだ。無敗を誇るメイウェザーにしてみれば、負けるリスクを冒してまでパッキャオと戦わずとも、いくらでもファイトマネーを稼げた。パッキャオもしかり。なにせ『フォーブス』のスポーツ選手長者番付の一二年度版では、メイウェザーが一位、パッキャオが二位だった。在米スポーツライターが語る。「二人とも選手としてのピークは過ぎている。最高レベルの商品価値が維持できる最後のタイミングだった」。  身も蓋もない言い方をすれば「遅すぎた夢の対戦」ということになるが、米国での注目度を見ればそんな話は吹・・・