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ケタ違いの中国「裏ガネ経済」

官も民も「不正会計」だらけの異様

2015年8月号

 中国経済を文字通り裏から支えているのは、社会のあらゆるところに蔓延した「裏ガネ」だ。企業経営者はもちろん、末端の従業員に至るまでが不正な会計処理を行い、資金をプールしている。想像を超える巨額の裏ガネがこれまで不動産、投資信託、株式の市場に流れ込みバブルを演出してきた。中国当局はこれを半ば黙認し、裏ガネは今後も証券市場に影響を与え続ける。 「政府はあらゆる手段を使って株価を支えてくれるはずだ」  上海株が急落した当日、浙江省温州市で靴縫製工場を営む経営者は、携帯電話から知人にこうメールした。中小企業が集まる温州市はいわゆる「影の銀行」と呼ばれる民間金融の先進地だ。市場経済が活性化し始めた一九九〇年代、国有銀行は国有企業への融資ノウハウしか持っておらず影の銀行の代表格といわれる「銭荘」などがこの地で発達した。この民間金融システムについては、これまでも取り沙汰されてきたが、ここに集まる資金の多くが裏ガネなのだ。 裏と表が「一体化」した  中国の民間企業トップにとって、税務当局の目をかいくぐる不正会計処理は、「やって当然」の経営のイロハである。かつては銀・・・