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政治

《罪深きはこの官僚》 野々上 尚(公安調査庁長官)

「日本人スパイ」拘束事件で 疑惑を隠蔽

2015年11月号

「霞が関の盲腸」と揶揄される公安調査庁がまたしても失態を繰り返した。中国国内で四人の日本人がスパイ容疑で拘束されていることは既報の通りだ。

 拘束されたことはミスだが、公安庁の罪はそれだけではない。のうのうとトップの座に居座り続ける同庁長官の野々上尚は重大な疑惑を隠蔽しようとしている。

 今回拘束された四人は、「関東、中部、近畿の公安調査局と、神奈川県事務所が『協力者』として運用していた人間」(情報筋)だ。末端の調査官が獲得した協力者に関する情報は、直属の事務所長から上に、局長、所属課長(首席調査官)へと伝えられる。完全なタテ割りであり、別の局や事務所、調査官の間で情報は一切共有されない。

 公安庁内部に「参事官室」と呼ばれる部署がある。総務部内に置かれているというが、公安庁の内部機構を定めた組織規則には記載されていない。規則にあるのは総務部に一人の参事官を置くということだけで、任務は「命を受けて、総務部の所掌事務のうち重要事項に係るものに参画する」と書かれているだけで判然としない。

 実はこの参事・・・