三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

日歯連迂回献金事件で追い込まれた 自民組織内議員に官邸から圧力

2015年11月号

 再び逮捕者を出した日本歯科医師連盟(日歯連)の迂回献金事件で、同連盟の組織内議員である自民党の石井みどり氏は、踏んだり蹴ったりの状況だ。  検察が日歯連の献金についての捜査を始めたのが今年春とされる。六月には一度家宅捜索を行ったものの、その後鳴りを潜めていた。  石井氏は、九月に行われた自民党総裁選で、野田聖子衆議院議員を推す動きを見せていた。野田氏のことを「政界の目標として尊敬していた」(政治部記者)という石井氏は、立候補に必要な推薦人に名を連ねるつもりだった。結果はご存じの通り、野田氏は二十人の推薦人を集められず断念したが、石井氏も土壇場で推薦人になることをやめていた。これは、官邸からの「説得」に応じたものだが、内情は「歯科診療報酬を人質にとった事実上の脅し」(同)が行われた。また、「診療報酬だけでなく、石井氏に対して、東京地検特捜部による迂回献金捜査の話を持ち出して、推薦人になることを断念させたという話もある」(同)という。  結果として、この工作に負けて石井氏は矛を収めたにもかかわらず、その後は自らが任意聴取の対象となり散々だ。官邸が検察の動きを知っていたど・・・