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経済

東芝「債務超過」転落の現実味

「血税投入」で救済の可能性も

2016年1月号

 不正会計問題で揺れ続けた東芝。二〇一六年は新たな再スタートの年にしたいところだろうが、そうは問屋が卸さない。東芝問題を取材する経済誌記者が語る。 「東芝の不正会計問題は矮小化されて報道される傾向にある。経済犯罪であることはもちろん、東芝の経営状態についても正しく報道されていない」  東芝の先行きについて、新聞の経済記者と金融のプロの見立てには温度差がある。ここにきて債務超過の恐れが一段と増していることはあまり知られていない。 「株主資本」が吹き飛ぶ  九月末に新体制が発足し、社内改革を進めている最中の十一月半ば、東芝は米子会社ウェスチングハウス(WH)の損失隠蔽が明らかになった。WHが一三年、一四年に合計十三億ドルの特別損失を計上していたことを、東芝本体の決算に反映していなかったのだ。東芝が過去に水増しをしてきた利益の合計は、第三者委員会による最終報告で約一千五百億円とされた。これに匹敵する損失を隠していたといっても過言ではない。 「『またか』と呆れる声が市場の大半を占めた」  ある経済アナリストはこう語る。過去の経営者の首を切り、膿・・・