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社会・文化

日本のソムリエは「田舎っぺ」ばかり

時代錯誤の「フランスワイン至上主義」

2016年5月号

 ボルドーやブルゴーニュの生産者が、来日するとよく口にする。「日本はアジアで最も成熟したワイン文化を持つ国」と。中国の消費量がいくら増えても、日本は別格の市場だと言いたいのだ。確かに、シャンパーニュの輸入量は世界で四番目、ブルゴーニュの輸入額も、イギリス、アメリカに次いで三番目だ。表面的にはうなずけそうだが、生産者のお世辞を真に受けることはできない。
 世界最高峰のワイン資格、マスター・オブ・ワインを日本在住者で初めて取得したオーストラリア人のネッド・グッドウィン氏が、二年前にコラムを発表し、ワイン業界を騒がせた。ワイン産業の中心にいる日本ソムリエ協会を鋭く批判した内容だった。日本のソムリエは世界的なトレンドに無知で、ボルドーやブルゴーニュのような古典的な産地以外のワインを切り捨てていると指摘。フランスワインをもてはやすエリート主義が「ソムリエの無知と発信力の低下を助長している」と断じた。
 マスター・オブ・ワインは、ヨーロッパだけでなく、世界のワインの知識が求められる。グローバルな視点から、日本のワイン業界を「ガラパゴス」と批判したコラムは、ネット上で、日本の有名・・・