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WORLD

米国「メディア再編」の新潮流

IT企業が旧メディアを支配する時代

2016年7月号

アップルやフェイスブックなど米国の五大テクノロジー企業が、メディア事業に相次いで参入している。企業を買収したり、独自のニュース欄を設けたり、特約契約を結んだりと手法は様々だが、メディア事業を呑み込んでいく潮流は強まっている。世界中のエンタメからニュースまで、米国の大手IT企業の寡占が進むとの予測が強まっている。
 六月中旬、フェイスブックが新たな仕掛けを放った。
「どんな画像でもいいから、提供してほしい」と、約百四十のメディア企業や有名人と契約を結んだ。CNNやニューヨーク・タイムズ紙のような報道老舗から、ハフィントン・ポストなどインターネットのニュースサイト、名門サッカークラブのレアル・マドリードやFCバルセロナまで網羅する。英国出身の三つ星シェフ、ゴードン・ラムゼイや水泳のマイケル・フェルプスもそれぞれ二十万ドルで契約した。動画コーナーの目玉コンテンツである。
「ストリーミング事業に本格参入する前の、つなぎの企画のように見える。このコーナーも人気が出れば続けるだろう」と、在ニューヨークのメディア専門家は推測する。契約総額は約五千万ドル。動画サイトへの広・・・