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政治

にわかに「リベラル路線」の自民党

「ポスト安倍」を巡る動きが活発化

2016年7月号

 公約の「V.国の基本」には「夫婦の姓や親子関係のあり方など、家族に関わる様々な課題について、国民的な議論を深める」とある。素直に読めば選択的夫婦別姓の法制化や伝統的な家族観の変更を模索する左派政党のものとも思える文言が、七月十日投開票の第二十四回参議院選挙での「安倍自民党」の公約と気付くのは、容易ではない。党内最右派の総理大臣・安倍晋三の信条と逆行するかのような政策が次々と打ち出され始めた自民党の変化は、単に選挙で支持層を広げるための「偽装」ではなく、「安倍一強」の状況が転換点を迎えていることを示唆している。
党内力学の変化
 二〇一二年に政権を奪還して以降、安倍が打ち出す政策の多くは、野党から「右傾化の象徴」と批判されてきた。集団的自衛権の行使に関する憲法解釈変更や新たな安全保障法制などは、歴代政権が踏み込まなかった領域だが、自民党のリベラル勢力は異を唱えるどころか、むしろ積極的に支持する姿勢を見せ、党が「安倍一色」に染まって見えたのは間違いない。
 ところが、一五年に安全保障法制が成立してからというもの、自民党の社会・・・