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社会・文化

「役人天国」東京都庁という伏魔殿

新知事でも浄化できない「利権集団」

2016年8月号

「一国に匹敵する規模の予算を編成し、都民の生活を豊かにしていく」
 東京都の職員募集のホームページでは、「都の大蔵省」(都政担当記者)と呼ばれる財務局についてこう説明する。今年度の都の一般会計予算総額約七兆円は、霞が関省庁と比較しても遜色ない。特別会計(約四兆五千億円)や水道局などの公営企業会計(約二兆二千億円)を加えれば年間予算総額は十三兆円を超え、スウェーデンやインドネシアの国家予算に比肩する。
 他に類を見ないマンモス自治体のトップである東京都知事は、約十六万人の従業員を抱えた大企業の経営者のようなものだ。「本社」である都庁舎内の職員を掌握することが知事として最初の仕事になる。都議会議員の一人が語る。
「今回の知事選で、都政の抵抗勢力として内田茂都議を筆頭とする都議会自民党が槍玉に挙げられたが、海千山千の都庁職員だって相当なタマだ。絶大な権限をもとに自分たちの利権を守ってきた」
居座り続ける安藤立美副知事
 前知事の舛添要一が辞任を表明する直前の六月十五日、都議会は新任三人を含む四人の副知事人事に・・・