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政治

経産省の「農水省乗っ取り」が着々進行

農政利権構造の「変貌」が始まる

2016年9月号

 今から九年前に全国農業協同組合中央会(JA全中)の事務方トップである専務理事から参院議員に転じた山田俊男氏に、自民党幹事長室から「モーニング持っているか」と尋ねる電話があったのは、参院選後の組閣を控えた七月二十九日、金曜日の午後のことだった。「(閣僚は無理でも)もしかして副大臣と考えたりもした」という山田氏だが、意外にも参院農林水産委員長再任の打診だった。週明けの臨時国会(八月一日)開会当日、衆参両院の正副議長以下各委員長は、モーニング姿で天皇を迎えるのが慣例だ。
 山田氏は落胆を隠さない。参院選(長野選挙区)で現職の若林健太・同委員長が落選、空席を埋めるため若林氏の前任委員長だった山田氏が九月下旬まで「暫定委員長」としてカバーする人事だからだ。山田氏は「同期の一人は農水副大臣に就任、同期でオリンピック担当大臣が誕生」(八月八日付の自身のメールマガジン)と、礒崎陽輔農水副大臣や、丸川珠代五輪担当相への嫉妬を露わにした。
 しかし、安倍晋三政権が進めている農業政策の中で農協(JA)グループが置かれている状況を冷静に考えれば、山田氏が政府の要職を切望するのはまったくの・・・