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米中がもし戦争をしたら

米研究所「詳細予測」の衝撃的内容

2016年11月号

 米国と中国の緊張が高まる中で、軍事研究で評価の高い米シンクタンク「ランド研究所」が「米中がもし戦争をしたら」のシミュレーションを行った。台湾とスプラトリー(南沙)諸島での紛争が、偶発的戦闘から本格交戦に発展した場合を想定したもので、現時点ではなお「米軍が総合力で優位を保つ」との評価だった。
 一方で、台湾周辺での海戦では、米太平洋艦隊は中国人民解放軍海軍(以下中国海軍)に勝てないという衝撃的な見通しが出た。また、中国軍は米軍機動力を封じ込めるため、沖縄の嘉手納基地に大規模ミサイル攻撃を仕掛けるとの予測や、「東シナ海での(尖閣諸島をめぐる)紛争で、中国が日本を見くびって、偶発的衝突に発展する可能性がある」との指摘があり、来る米中戦争では、「日本」が重大な要素になることも浮かび上がった。

台湾沖海戦ではすでに米軍劣勢

 十月中旬。最近の米海軍には珍しく慶事が続いた。
 十月十三日に、全世界の海軍基地で「創設記念日」の祝賀行事が行われた。その二日後、最新鋭のミサイル駆逐艦「ズムウォルト」が、メ・・・