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経済

《経営者東京裁判》 井阪 隆一 ( セブン&アイHD 社長)

コンビニ覇者を凋落させる男

2016年11月号


「グループ全体で売上高十兆円を超えるこの巨大グループの素晴らしさは、名誉会長がしつけレベルで植え付けて下さった企業理念にあります。それはあらゆるステークホルダーから信頼される誠実な企業でありたいという不変のメッセージ。この創業の理念を次の世代にもしっかりつないでいくことが私たちの大事な役割だと考えています」。その男は創業者の伊藤雅俊名誉会長に向けて、最大限ともいえる賛辞を贈った。
 井阪隆一―。クビ一歩手前からの「逆襲人事」(事情通)で、カリスマと呼ばれた鈴木敏文会長(当時、現名誉顧問)を退任へと追い込み、今年五月二十六日付でセブン&アイ・ホールディングス(HD)の社長に収まった男である。そして井阪が「私に百日時間を下さい。成長戦略と構造改革を練り上げ、第2四半期決算発表までに公表します」との就任時の〝公約〟を果たす形で十月六日にまとめ上げたのが「百日プラン」なる中期経営計画。そのお披露目の舞台となったプレゼンテーション冒頭で、いきなりこう切り出してみせたのだ。
 四半世紀にもわたってグループに君臨し、権力基盤を営々と築き上げていった鈴木と違って、井阪の・・・