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経済

《企業研究》明治安田生命

「契約者軽視」巨額M&Aで無駄遣い

2016年12月号

「報道されたような事実はまったくない。ただ海外での事業展開については(オーストラリアを含め)幅広く調査研究を行っている」。何とも煮え切らない反応ぶりとあって、買収観測はその後もなお消えない。
 十一月中旬に一部のメディアが報じた、明治安田生命保険による豪オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の保険事業買収計画。銀行窓販などに強みを持つANZの生保子会社「ワンパス」と、富裕層向けビジネスの一部を三十億〜四十億豪ドル(二千四百四十五億〜三千二百六十億円)で買収する方向で最終調整に入ったというもので、ANZが半年以内に実施する入札に参加するとしている。
 これに対し、明治安田が発信したのが冒頭のコメント。だが、一体どこまでを否定し、どこまでを肯定しているのか—。

金融庁が抱く「疑惑」の標的

 買収観測が燻り続けている背景には、豪州生保市場への成長期待と日系大手生保の相次ぐ対豪進出がある。保険加入率がまだ低いうえ、二〇五〇年までにいまの四六%もの人口増加が見込まれているのだ。こ・・・