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中国で始まる「民主派」大弾圧

習近平強権にトランプは「我関せず」

2017年1月号

 トランプ次期米大統領の登場に中国共産党の高笑いが止まらない。中国と対立する台湾を優遇するかのようなトランプ氏の姿勢に日本のメディアは、共産党に動揺が表れることを期待し「米中関係に暗雲」と一斉に報じたが、実態は異なる。内情を知る者は、人権に熱心でないトランプ氏が大統領に就任した後、米国の干渉が弱まり、中国国内の民主派やウイグル独立派の過酷な弾圧に拍車が掛かるとの見通しを立てているからだ。自国の経済利益以外に無関心のトランプ氏の外交姿勢が追い風となり、習近平主席が中国の民主派の息の根を止めかねない。「民主主義」の伝道師を自任してきた米国の政権交代が皮肉にも、中国十三億人の「言論の不自由」を後押しし、彼の国は思想統制国家への一本道を突き進むのだ。

「異分子排除」で共通の認識

「まともな有識者、言論人はみんな衝撃を受けていますよ。米国の目まで届かなくなれば、習指導部による思想・言論統制は際限なく進むと」。寒風吹きすさぶ昨年十一月のある夜、東京・新橋界隈の和食店。来日した中国メディアの編集幹部、趙敏氏(仮名)は声をひ・・・