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シリア和平の出口「安全地帯構想」

欧米も賛同する第二の「パレスチナ」

2017年3月号

 シリアの和平に向けた動きが加速している。今年一月に始まったカザフスタンの首都アスタナでの和平協議は、ときに当事者(シリア政府と反政府勢力)不在のまま、外相級会合の後も断続的に専門家会合を開き、「新たな停戦監視の仕組みに合意」といった成果が強調されている。
 その一方でシリア国内の戦場では依然政府軍、ロシア軍による砲爆撃が続き、反政府勢力側にとっては最後の砦となっているイドリブやダマスカス郊外で戦闘員、非戦闘員の犠牲が増えるだけの負け戦になっている。苦杯を味わうだけの会議への出席をどれほど嫌っても、停戦しなければ明日がないという現実の前に、反政府勢力側は会議を受け入れるしかない。そんな事情でロシア主導の「ゴリ押し解決」を目指す交渉は進展を見せているのだ。
 この動きはしかし、これまでにない和平への光明として注目されている。その最大の理由は他でもない。トランプ大統領の就任で、オバマ前大統領によって大きく歪められていた米国の対中東政策が一八〇度転換したからである。

国内外の避難民のための空間

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