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経済

出光創業家に「内部分裂」の兆候

浜田代理人「不倫辞任劇」の内幕

2017年3月号

 とんだ“濡れ場”の幕切れだった。石油業界からは怒りを通り越して深い嘆息が漏れる。
「こんなことのために八カ月も、特約店を含めて数万人の関係者が振り回されてきたのか……」
 二月十日、出光興産の創業家の代理人を辞任した弁護士、浜田卓二郎—。昭和シェル石油との合併をめぐる出光経営陣と、名誉会長の出光昭介ら創業家の愛憎劇を陰で操ってきた代理人の退場は、関係者に“納得”と“落胆”の二つの感慨を与えた。予兆はあった。霞が関では「浜田はいずれ政治的に殺処分される」と囁かれていたのだ。
 関係者が注視していたのは自民党幹事長、二階俊博の挙動である。経済産業省は石油元売り再編の障害である浜田を忌避し、とりわけ、かつて二階経産相の秘書官を務めた資源エネルギー庁次長の多田明弘は事態を憂慮していた。さらに二階が超党派の地熱発電普及推進議員連盟を立ち上げた際に支援したのは出光元社長の天坊昭彦であり、今も親密な関係は続いている。
 こうした背景を知る関係者は、・・・