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政治

森友案件で晒した財務省の「本性」

《政界スキャン》

2017年4月号

「森友学園」問題の真相はヤブの中のまま終わりそうだ。籠池泰典理事長は刑事訴追されるかもしれないが、政界は予算が成立したら局面が変わり、話題としてはじきに飽きられる。
 そうなる理由の一つは、情報が入り乱れすぎたからだ。国会の証人喚問という主舞台があるのに、他の登場人物たちが場外からメールやツイッター、フェイスブック、ブログといった「個人発信」のメディアで三々五々参戦し、安倍晋三首相をはじめ政治家たちもそこに加担する。目移りして面白いが、的は散らばり、矢は真相究明へ向かっていかない。
 今一つはマスコミや世間の眼鏡が古ぼけているせいだ。もっぱら視線が、首相の妻は百万円を渡したのか、国有地払い下げに政治家の力は働いたのか、といった興味に向きがちである。
 古典的な「政治とカネ」「政と官」の枠組みだが、その真相が分かったところで、安倍昭恵氏が百万円寄付していても違法ではない。カネが渡っていない陳情や相談だけなら正常な政治活動だ。問題の解明は前進しない。
 その点、籠池氏は国会証言で、興味深い視点を提起した。
「財務局の対応に敏捷性がなかったの・・・