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経済

スズキ「老害王」修会長の最近事情

社業「風前の灯」でも続く独善経営

2017年4月号

「なんで、お前がこんな所にいるんだ。出て行け!」—。昨年十二月中旬、浜松市内にある高級ホテルのパーティー会場に怒号が響いた。会場は一瞬で静まり返り、居合わせた人々の視線が一斉に、一人の老人に集中した。声の主は、スズキの代表取締役会長・鈴木修氏だった。
 二〇〇九年に日本経済新聞出版社から出した著書『俺は、中小企業のおやじ』のタイトルどおり、今や三兆円を超す売り上げ規模を誇るスズキを育て上げたにもかかわらず、いまだにその会社を中小企業と自認する修氏。御年八十七歳。来年の一月三十日には、めでたく米寿を迎える。しかし今、彼の経営者としての歪みが徐々に明らかになり、その暴走を抑えきれないスズキという会社そのものの行く末に不安を抱く関係者は少なくない。
 修氏は岐阜県出身。旧姓は松田。一九五三年に中央大学法学部を卒業し、中央相互銀行(現・愛知銀行)に入行。五八年にスズキ(当時は鈴木自動車工業)の二代目社長である鈴木俊三氏の長女と結婚し、婿として姓を鈴木へと改めた。「それより前、俊三氏は後継とするべく超一流国立大学の出身者を婿に迎えたが、鈴木家内部のゴタゴタに嫌気が・・・