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社会・文化

またぞろきな臭い慶應「塾長選挙」

医学部「内ゲバ」と新たな醜聞

2017年4月号

 慶應義塾大学の塾長選挙をめぐり、医学部と病院で異例の事態が続いている。塾長は一般の私立大学でいう「理事長」と「学長」を兼ねる役職。経営と学務を束ねる最高権力者だ。慶應の最高意思決定機関「評議員会」で選出される。
 現職の清家篤塾長は規約にある任期四年・通算二期を今年度末で満了。四月十六日に開かれる臨時評議員会で後任が決まる運びだ。
 当初は無風状態の中、衆目の一致する後継者へと禅譲が行われるとの読みがもっぱらだった。ところが、昨年暮れ、状況は一変する。
 本命・前病院長VS対抗馬・現医学部長—医学部と病院は完全に股裂き状態に陥った。陰で糸を引く人物の思惑も見え隠れする。旧帝大の医学部・病院や国立高度専門医療研究センター六法人に対抗し得る総合力を持つ唯一の私学。名門中の名門・慶應の医学部と病院で何が起きているのか。

岡野陣営に手痛い不祥事

 清家氏が後事を託そうとしたのは戸山芳昭常任理事。整形外科教授、病院長を歴任している。一昨年の医局忘年会では「次の塾長は俺だ」と高・・・