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政治

安倍一強下の「地殻変動」

「閣僚辞任」で動き始めた二階・菅連合

2017年5月号

「中川さんの問題がなければ支持率はもっと上がっていたと思う」
 四月二十三日午後、共同通信が行った世論調査の結果が伝えられると首相安倍晋三は周辺にこう語った。中川とは経済産業政務官を辞任し、その後自民党を離党した中川俊直のことだ。常軌を逸した女性スキャンダル発覚直後で下落が想定されたが、内閣支持率は六・三ポイント上がって五八・七%。政党支持率も三九・九%。野党第一党の民進党は六・七%に低迷した。何があっても「一強」は揺るがないのが今の政治状況なのか。
 しかし、安倍の自信は単なる過信でしかないことが間を置かずに証明された。二十五日夜、復興相の今村雅弘が四月に入って二度目の失言で辞任に追い込まれたからだ。内閣支持率の高さは野党弱体化の反射的な結果に過ぎず、人材難による“虚弱体質”は変わらない。今村に続く“辞任予備軍”と言える閣僚が居座る。法相金田勝年、防衛相稲田朋美、地方創生担当相山本幸三。この閣僚らに加えて新たに失言やスキャンダルが発覚すれば、短命内閣に終わった一次政権の二の舞いになりかねない。
 安倍は来年・・・