三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

社会・文化

自衛隊に広がる「異国の血脈」

中国人の「親・妻」を持つ隊員が増加

2017年7月号

 日本最大にして最強の組織、それは言うまでもなく自衛隊だ。実員で二十三万人弱を擁するこの「軍隊」の主任務は日本の防衛であり、国防のために国家の矛となり、盾となり、身を捧げる。この崇高な使命を担う自衛隊が内部に抱える宿痾が静かに増幅している内実は、あまり認識されていない。それは中国人を筆頭に外国人の親を持つ日本国籍の自衛隊員、異国の血脈を受け継ぐ配偶者や内縁の妻と暮らす自衛隊員の急増だ。
 自衛隊はスパイ行為の可能性に危機感を強め、親や配偶者の国籍を報告させているが、あくまでも自主申告。まして内縁関係なら申告しないケースが大半だ。一方、日本全体で中国人と結婚する人が年を追うごとに増え、自衛隊から中国人の血脈を排除することはもはや不可能。この現実を直視したとき、日本の針路はいずこに―。
 一昔前からの大きな変化は街中の風景からも読み取れる。「李」「王」「徐」……。コンビニの店員の名札を見ても、中国人の浸透は一目瞭然だ。その潮流は自衛隊にも及ぶ。自衛隊の最前線は陸海空の各基地・駐屯地とも地方や辺境の地が多い。そこには中国人ら異邦人が経営したり、・・・