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総崩れの「安倍外交」

トランプ依存が招いた「日本の孤立」

2017年8月号特別リポート

 安倍晋三首相の「地球儀を俯瞰する外交」が崩壊状態だ。大仰な標語の実質は対米依存の戦略なのだが、肝心のドナルド・トランプ米大統領が迷走して、西側同盟を次々と破壊していく中で、安倍政権はなすすべを失っている。やむなくロシアとの間で平和条約締結を模索し、中国とも関係改善を探っているが、いずれも成果は到底見込めないままだ。
 日本にとって最も切迫した脅威である北朝鮮に対しては、トランプ政権に追随して「中国が北朝鮮を抑えよ」と唱えるだけで、日本防衛のシナリオを描けない。「安倍一強」が崩れ、日本の政治が内向きの季節を迎える中で、安倍外交は成果を残せぬまま終焉する瀬戸際に直面している。

G20では「アベ・パッシング」

 安倍外交を支える国家安全保障会議(NSC)や外務省のスタッフにとって、今年の夏は手持ち無沙汰が際立っている。
 もちろん、外交案件は北朝鮮のミサイル発射など山積しているし、首相のG20出席など外交日程も詰まっていたのだが、自分たちで主導する「課題」がないのだ。
 G20では図・・・