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「在韓米軍」は韓国を守らない

抜け穴だらけの北朝鮮「包囲網」

2017年11月号

 今年の国際政治のハイライトになるドナルド・トランプ米大統領のアジア諸国歴訪では、北朝鮮問題が一貫して最重要テーマになる。トランプ大統領と安倍晋三首相は「圧力強化」の立場だが、朝鮮半島現地ではそれとは全く逆方向の動きが進んでいる。
 米国による韓国防衛の象徴である在韓米軍に、政治的にも軍事的にも制約が増加し、北朝鮮に対する懲罰的な先制攻撃はおろか、韓国在住の米国人約二十万人を含む、韓国民間人の防衛についても、全く態勢ができていない。韓国の文在寅大統領は「自主防衛」を口実に、朝鮮半島不戦の政策に邁進しており、トランプ歴訪は、抜け穴だらけの「北朝鮮包囲網」の実態を浮き彫りにしそうだ。

「核も使う戦争の確率は一〇%」

 大統領の訪韓間近の十月下旬。在韓米軍が、現在の朝鮮半島のムードを象徴するような動きに出た。在韓の米国人の退避訓練を数日間実施したのだ。
 在韓米軍は「定期的にやっていることだ」と説明するものの、今回に限っては事前に記者発表を行った。九月には「非戦闘員はただちに避難せよ」と呼びかけ・・・