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経済

《地方金融の研究》東邦銀行

「週休三日制」震災特需のゆとり

2017年11月号

 インパクトは地銀界を超えて銀行界全体にまで広がっている。今年十月一日付で、二〇〇三年以来十四年ぶりという人事制度の全面刷新に踏み切った福島県地盤の東邦銀行。その最大の目玉が邦銀初とされる「週休三日制」の導入だ。これまでの地域限定正社員、職務限定正社員に加え「時間限定正社員」を新設。月~金曜日まで一日四~六時間勤務かあるいは週四日勤務かを選択できる仕組みを取り入れたのだ。
 正社員の一部に短時間勤務を認めている銀行は今でも少なくない。ただ適用対象となるのは介護や育児といったやむを得ない事情がある場合に限定するところがほとんど。これに対し、今回の東邦銀の制度ではボランティア、自己啓発はもちろん、本人のライフスタイルなどに応じる形での短時間勤務や週休三日でも受け入れる。「土曜日の窓口営業が打ち切られ、銀行が完全週休二日制に移行した一九八九年二月以来の画期では」。メガバンク幹部も驚きを隠さない。
 給与や昇格などで大きな差がつく総合職と一般職の壁も取り払った。専門職を含め三層に分かれていた職種を総合職に一本化。それでも転勤を望まない行員は新設の「エリア総合職」として吸収す・・・