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社会・文化

「ラグビー人気」萎えさせたのは誰か

諸悪の根源は「日本ラグビー協会」

2017年12月号

 ラグビー史上最大の番狂わせ―。日本のファンなら生涯忘れられない英国でのワールドカップ(W杯)南アフリカ戦から、時が経つことわずか二年余。日本のラグビー・ブームは、奇跡の勝利で突如現れ、瞬く間に去っていった。二〇一九年には自国開催のW杯が迫っているというのに、だ。
 一体、誰がラグビー熱を吹き消したのか。戦犯は、日本ラグビーフットボール協会に他ならない。
 十一月四日、日本代表は強豪オーストラリアを迎えてのテストマッチに臨んだ。集まった四万三千六百二十一人は日本代表の試合としては最多の観客数だった。日本代表への期待は、まだ残っていた。
「申し訳ない。もっと喜んで頂けるよう、努力したい」
 六十三対三十という大差の敗戦に、スクラムハーフ田中史朗はそういって頭を垂れた。勝負が決定してしまった後半、オーストラリアは明らかに“手抜き”をしていた。それほどまでに世界との実力差が開いたのである。
「ファン、メディアの方にも忍耐力をもってサポートしてほしい」
 就任二年目の指揮官、ジェイミー・ジョセフの試合後の言葉で・・・