三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

経済

《地方金融の研究》関西アーバン銀行

三井住友に「ポイ捨て」された悲哀

2018年1月号

「要するにわしら、見捨てられたちゅうことですわ」。中堅行員の一人が吐き捨てる。
 大阪・心斎橋に居を構える関西アーバン銀行本店。その十六階大ホールで二〇一七年十二月二十六日開催された臨時株主総会は、りそなホールディングス(HD)の下に同十一月設立された全額出資の中間持ち株会社、関西みらいフィナンシャルグループ(FG)との株式交換による経営統合を粛々と決議して幕を閉じた。翌二十七日からは統合プロセスの一環として、関西アーバンの発行株の一五%、一千百二万株を上限に取得することを目的とした、りそなHDによるTOB(株式公開買い付け)もスタート。現在、発行株の四九・三六%、三千六百十万株を持つ親会社の三井住友銀行(SMBC)がこれに応じる形で一部を放出する。
 一八年二月十四日のTOB終了後には、SMBCはさらに保有する関西アーバンの優先株七千三百万株もりそなHDに七百四十億円で譲渡。残る保有普通株も同四月一日を期してテクニカル上場する関西みらいFGの普通株と一対一・六の割合で交換し、親会社としての地位から離脱する。
 関西アーバンが、同じくSMBC四四・九七%出・・・