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政治

《罪深きはこの官僚》小川 誠(厚生労働省職業安定局長)

内部告発を放置する「背信行為」

2018年2月号

 霞が関界隈には、民主党政権時代に「事業仕分け」の対象となりながらも生き延びた、ゾンビのような公益法人がいくつもある。その中のひとつ、厚生労働省所管の公益財団法人「介護労働安定センター」でこのほど、不正が内部告発されたが、一向に調査が行われる気配がない。
 同センターは、一九九二年に旧労働省の所管で設立された法人で、介護労働者法の指定団体だ。介護職員の雇用に関する斡旋や施設への指導などを行っている。
「厚労省の天下り先であると同時に、介護問題の責任をなすり付けるための法人だ」
 同センターの中堅職員はこう吐き捨てる。ここで過去四年以上にわたって、「不正」が行われていたという。同センターは、厚労省の通達により介護事業主と労働者のコミュニケーションの充実を図るための指導を行う。介護現場で短期間での離職が問題になっているのは周知の通りだが、多くの離職者が原因について「職場の人間関係に問題があった」と答えている。そのため、事業主への講習などを通じて、職場におけるコミュニケーション環境を改善していく。厚労省は担当する職業安定局の雇用政策課長名義で、同センター側に必要・・・