三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

経済

三井不動産「帝国ホテル建て替え」の成否

「五輪後」再開発の不透明な展望

2018年2月号

 今年二月一日竣工した「東京ミッドタウン日比谷」。アールデコ建築で有名だった「三信ビルディング」や旧三井銀行本店だった「日比谷三井ビルディング」を再開発する形で、三井不動産が総工費一千三百二十二億円をかけ建設を進めていたオフィス・商業施設一体型の大規模複合ビルで、同社による日比谷地区再開発事業の第一弾。三月二十九日グランドオープンする。
 地上三十五階地下四階建てで高さ百九十二メートル、延床面積十八・九万平方メートル。商業施設にはシネコン「TOHOシネマズ日比谷」など六十店が出店。十一階から上のオフィス部分には神田神保町から本社を移転する旭化成や新日本有限責任監査法人、不動産投資サイト運営のファーストロジックなどが入居する予定だ。
 そんななか昨年暮れ以降、不動産業界関係者らの間で俄かに飛び交いはじめたのが、三井不が発行株の三三・一六%を握る筆頭株主で、持ち分法適用会社となっている「帝国ホテル」を巡る再開発観測だ。日比谷再開発の第二弾として近々、帝国ホテル東京を建て替え、周辺一帯を再開発していく計画を打ち出してくるのでは――というわけだ。

総事業費五千億円は下らない・・・