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経済

トヨタ「世界三位」は当分続く

米中市場「苦戦」で遠のく日産の背中

2018年3月号

 トヨタ自動車が二月に開いた二〇一七年度第3四半期決算会見は、冒頭から異様な空気に包まれた。「普通の決算会見では数字の話が中心だが、会社のことを理解してもらうため、今回は生産担当の河合満副社長にお話いただく」と、財務担当の小林耕士副社長が切り出したからだ。肝心の決算発表はわずか十分で終わり、河合副社長は本業とは関係ないロボットの習字を紹介した。出席した記者たちは会見終了後に決算内容についての個別取材を余儀なくされる。「これは何か都合の悪いことを隠したいのだなと、すぐにピンと来た」と、トヨタの内情に詳しい全国紙経済記者は振り返る。

中国での成長は望み薄

 トヨタにとって会見で触れられたくなかった「都合の悪いこと」とは、一七年の世界販売が独フォルクスワーゲン(VW)どころかルノー・日産連合に追い抜かれ、三位に転落したことだろう。トヨタ幹部は「わが社の世界販売台数は一六年実績を二・一%上回っており、三年ぶりに過去最高を更新した。一千万台の大台は超えており、むやみに規模の拡大を追う必要はない」と余裕の構えだが、実態は・・・

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