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社会・文化

相撲協会と政治家の「深い癒着」

不祥事体質を放置する「議員タニマチ」

2018年3月号

 国技とされる相撲は、神話にそのルーツがあるといわれ、古事記や日本書紀にもその萌芽をみてとれる。現在の奉納土俵入りを見てもわかる通り、「神事」として行われてきた相撲は、常に権力者による庇護の下にあった。古くは奈良時代頃から宮中相撲が行われ、中世になると鎌倉幕府が武家に相撲を奨励した。江戸時代になってもその名残は続き、百五十年前の「維新」では、明治天皇が相撲を好んだことで生き残ることができた。
 そして今も、相撲と権力者は切り離すことができない。昨年十一月に発覚した「日馬富士暴行事件」に端を発した日本相撲協会の騒動は、二月二日の理事選が終わってもその余波が続く。平昌オリンピックの陰に隠れたものの、八角理事長を筆頭とする協会主流派と、貴乃花親方グループの確執は残っており、三月の大阪場所が近づくにつれて再び蒸し返されそうだ。実はこの騒動の背後にも、一人の「政治家」の姿が見え隠れする。自民党に代表される与党議員との密接な関係のせいで、実は協会の健全化が遠ざかっている。

八角のバックに「鈴木宗男」

 暴行事件・・・