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経済

《地方金融の研究》スルガ銀行

訳あり融資で荒稼ぎの「高利貸し」

2018年3月号

 薄々気付いていたのか、あるいは知っていたのに知らぬふりをしていたのか、それとも積極的に関与していたのか……。
 今年二月に事実上経営が破綻した賃貸用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営するスマートデイズ(SD、東京・中央区)。「頭金なしで投資でき、三十年間家賃収入が保証される」とうたって会社員らを勧誘。銀行から億単位の融資を引き出させて物件のオーナーに仕立て、それを一括して借り上げる手法で急成長してきたが、会社設立以来わずか五年ほどの間に一気に九百棟もの物件を建てるという「ハチャメチャなビジネスモデル」(金融筋)。結局、物件供給のペースに入居者の手当てが追い付かなくなり、オーナーへの賃料支払いの全面停止に追い込まれた末、あえなく瓦解した。
 そんななか浮上しているのが「融資詐欺」問題だ。銀行融資を受ける際に提出する通帳や口座明細、証券会社の資産目録などの写しを仲介役であるSD側が勝手に改竄。実際には三百万円しか預金がないにもかかわらずゼロを一つ加えて三千万円に水増しし、借り手であるオーナーに十分な信用力と返済余力があるよう見せかけるなど・・・

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