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連載

西風443

万博誘致に「内憂」と「外患」

2018年4月号


 三月五日から九日の日程で、博覧会国際事務局(BIE)の調査団が日本を訪問。一行は安倍晋三首相をはじめ政府関係者に面会した後、大阪へと移動し、会場予定地となる人工島「夢洲」などを視察した。
 三月二日に朝日新聞が森友問題の文書書き換え疑惑をスクープし、永田町にはすでにきな臭い空気が流れていた時期だ。森友問題の舞台は大阪で、大阪府が学校設置の認可をしていた。にもかかわらず、松井一郎大阪府知事や吉村洋文大阪市長は、森友問題などそっちのけで接待に精を出した。
 関西国際空港や鉄道の駅、車両などいたるところに誘致ロゴマーク入りのポスターやステッカーが張り出され、調査団が市役所を訪れた際には、小学生らが動員されて旗を振ってお出迎え。八日夜には道頓堀など水上から大阪の夜景を楽しんでもらおうと、船上でパーティを催すなど、文字通り下にも置かぬ「おもてなし作戦」を繰り広げた。調査団が通るルートでは沿道のゴミを清掃、違法駐輪の自転車を撤去するなど共産主義国家のような浄化作戦が実施された。
 調査団長の崔在哲氏(駐デンマーク韓国大使)は「暫定的な考え方として(大阪の・・・