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連載

Book Reviewing Globe 407

米国民の「人種偏見マグマ」

2018年4月号

 二〇一六年の大統領選挙でドナルド・トランプの勝利を予測した主要メディアはなかった。
 しかし、トランプが予備選も本選も勝つかもしれないという手がかりは、インターネット・メディアには存在した。そこに表れる国民の政治志向は、CNNやニューヨーク・タイムズ紙のような大手メディアとは明らかに異なっていた。それを分析したのが、データ分析の専門家である著者だ。
 Google Trendsを仔細に分析すると、バージニア州西部、ルイジアナ州南部、ミシシッピ州と並んで人種偏見が激しいところは、ニューヨーク州北部、ペンシルベニア州西部、オハイオ州東部、それにミシガン州、イリノイ州の農村地帯であることがわかった。つまり、米国の人種分断は南部対北部ではなく東部対西部であることをそれは示唆していた。
 著名な世論分析家ネイト・シルバーは、予備選に当たってトランプが勝つ見込みはないと予測したが予備選が進むにつれトランプが広範な支持を得る展開となった。
 何か見落としているのではないか。失業率か?銃保有か?移民比率か?それともオバマ嫌悪か?
 あらゆる要因を分析・・・