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経済

《地方金融の研究》きらぼし銀行

「内部抗争」不可避の三行合併

2018年5月号


「何かもう少し重厚感のにじみ出るような行名にできなかったんですかね。例えば『帝都銀行』とか。それが無理なら単に『東京銀行』とかあるいは『東京シティ銀行』でもいいじゃないですか。折角、三菱東京UFJ銀行がこの四月から『東京』を外してくれたんだから。英語表記も『Bank Of Tokyo』にして、伝統のBOT復活ですよ。かっこいいじゃないですか。『きらぼし』じゃ一体どこに本拠地がある銀行なのか、まったく分からないし、どこかの幼稚園の名前みたいですよね」。中堅行員の一人が口を尖らせる。
 東京都民銀行と八千代銀行、新銀行東京の三行が持ち株会社の下で合併し、五月一日誕生した「きらぼし銀行」。これに合わせて持ち株会社名もこれまでの東京TYフィナンシャルグループ(FG)から「東京きらぼしFG」に衣替え。関連会社も、とみんカードは「きらぼしJCB」に、とみん経営研究所は「きらぼしコンサルティング」へといった具合に一斉に商号が切り替わる。
「きらめく東京圏でお客さまの夢を一段と明るくきらめかせたいという願いを込めてつけた」。首脳陣は新銀行名の由来をこう説明するが、正確に・・・