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政治

安倍・今井「AI官邸」の暴走は続く

《政界スキャン》

2018年6月号

「昭恵さんと別れなさい」
 日本広しといえども、安倍晋三首相に面と向かってそう言い放つことができる人物は、母親の安倍洋子さんを除けば、あとはたった一人しかいない。
 自他共に認める「応援団長」として安倍政権を支える日本最大マスコミのドン、渡邉恒雄読売新聞グループ本社代表取締役主筆は、実際に諫言した。無益な争いを避けるため、日時場所など細部は省くが、同席していた人たちが広めているので、今や永田町では知る人ぞ知る。
 安倍首相は言下に断った。渡邉氏に釈明できなかったその理由については先月、この連載で詳しく解説した。母親が言えない事情もそこに書いた。
 同席者たちがこの逸話を隠さないのは、「軽率なファーストレディー」に何らかのけじめが必要だという民心を率直に代弁している自信があるからだ。
 渡邉氏の忠告は、日本中がうんざりしているモリカケ騒動を終わらせ、何とか政権を続けさせるための「親心」なので、安倍首相と腹心の今井尚哉首相秘書官もむげにはできない。
 ところが、四月末からの連休前に二人が決めた乗り切り戦術は、「いろいろ不注意はあっ・・・