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経済

《クローズ・アップ》上田隆之(国際石油開発帝石次期社長)

経産省支配で続く「血税使い放題」

2018年6月号

 日本最大の石油・天然ガスの開発・生産会社、国際石油開発帝石(INPEX)の次期社長に上田隆之副社長(六十一歳)が昇格することが決まった。
 二〇〇八年に経済産業省傘下の国際石油開発(旧インドネシア石油)と民間の上場企業だった帝国石油が合併し、INPEXが誕生して以来、初代社長の黒田直樹氏、二代目の北村俊昭社長(六十九歳)に続き、三代目の経済産業省出身のトップとなる。
 タイミングを合わせるように、INPEXなど石油開発会社を資金面で支える石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の理事長も新日鐵出身の黒木啓介氏から経産省出身の細野哲弘氏に交代。同じく経産省出身の岡田秀一社長の石油資源開発と合わせ、「エネルギー上流部門に経産トリオがそろった」と石油業界関係者は指摘する。
 しかも細野JOGMEC理事長は資源エネルギー庁長官として、上田次期INPEX社長の前々任者。「JOGMECは従来以上にあうんの呼吸でINPEXに優先的に資金を供給していくだろう」と関係者はみる。INPEXの資金ニーズはこれから急激に膨れあがるからだ。
 まずは「社運をかけた・・・