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連載

Book Reviewing Globe 410

危険な米中「AI軍拡」

2018年7月号

 中国共産党は、二〇三〇年までに中国を「世界最高級の人工知能のイノベーションセンター(pre
mier global AI innovation cent
er)」にするとの目的を掲げている。
 すでに、中国はAI超大国として登場しつつある。一六年十月、米マイクロソフトは、言語認識のソフトウエアが人間の言語認識のレベルと同等になったと発表したが、百度(バイドゥ)のAI研究トップだったアンドリュー・エンは、「我々の開発したソフトウエアは昨年、人間の中国語言語認識を超えた。マイクロソフトが一年後、英語でも同じ水準に到達したことを喜びたい」とツイートした。
 中国のAI超大国化は、経済における米国との覇権争いの行方を決する出来事になるかもしれないが、同時にそれは現在米国に比べて劣る軍事力を“蛙飛び(リープフロッグ)”させ、一気に追い抜くことを可能にするかもしれない。
 AIを軍事に深く組み込むことで、戦争の性格はこれまでの「情報化」から「知能化」へと変わっていく。その「知能化」によって、米国の「情報化」での決定的な優位・・・