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経済

トヨタ「相談役・顧問」粛清の真相

茶坊主「小林副社長」の跳梁跋扈

2018年7月号

「(豊田)章男社長の取り巻き連中による陰謀。企業統治改革を隠れ蓑に利用した排除の論理だ」。OBらからはこんな声も上がる。
 トヨタ自動車が相談役や顧問の「大量殺処分」(グループ幹部)に踏み切る。社長・会長と経団連会長なども歴任した奥田碩相談役や章男社長の前任だった渡辺捷昭顧問ら五十人余との契約を、七月一日付で一斉に解除。約六十人いた相談役や顧問をおよそ九割減らして八人に縮小する。
 これまでトヨタでは副社長以上の役員が退職した場合、ほぼ自動的に任期四年の相談役に、また専務クラス以下の役員は同じく任期一~二年の顧問として処遇することが慣例として続いてきた。
 しかし昨年秋以降、こうしたルールを見直してすべての任期を一年に短縮。併せて社外取締役が半数を占める「役員人事案策定会議」が相談役や顧問の役割を審査し、業務の必要性に応じて「適任」と判断した人に処遇を絞り込む形に変更する意向を示してきた。
 何やら「在庫一掃」(同前)ともいえるような今回の人事はいわば新ルールの適用第一号。これにより残留する相談役は、一般財団法人日中経済協会の役員など複数の社外団・・・

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