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経済

みずほ「システム問題」で日立の重罪

旧興銀との「謀略」が招いた混迷

2018年7月号

 みずほフィナンシャルグループ(FG)で「再チャレンジ」が始まっている。傘下銀行を舞台にした次期勘定系システムへの移行作業のことだ。みずほは「万全の準備態勢」を強調するが、果たして、来年二月までの長丁場の移行作業が無事に終わるかどうか。みずほ関係者のみならず、ひとたびシステム障害となれば、その肩代わりでとばっちりを食わされるライバル銀行も固唾をのんで見守っている。

「メインバンク変更」という恫喝

 それにしても、母体三銀行の統合から十八年の歳月が流れての統合システム移行である。世界的にみても、基幹系システムの移行がこれほど遅れたケースはなかろう。この間、二度にわたる大規模なシステム障害に見舞われたことが背景にあるのだが、実は、みずほの基幹系システムを巡っては、システム障害の以前に、別の大きなトラブルが生じていたことは知られていない。
 それは母体銀行である旧日本興業銀行と、その基幹系システムの開発を担った日立製作所が結託して繰り広げられた暗闘劇だ。みずほグループに膨大な時間とカネを空費させた元凶は、・・・