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経済

日本郵船「本社ビル」に重大な欠陥

高砂熱学がまたもや「手抜き工事」

2018年8月号

 本誌六月号の連載「日本のサンクチュアリ」で取り上げた『羽田空港国際線ターミナル』は業界に衝撃を与えたようだ。空調大手「高砂熱学工業」が、日本の表玄関ともいうべき羽田空港(東京国際空港)国際線ターミナルビル建設で重大な手抜き工事をしたというのだから、事は重大だった。
 しかも、この深刻な手抜き工事を高砂熱学自らが、同社が解雇した元社員との訴訟の過程で、つまり公的な裁判の場で認めたのだから前代未聞だ。
『羽田空港国際線ターミナル』の記事のコピーは、業界はもとより、航空会社、ゼネコンなどに広く出回った。本誌に寄せられた内部告発や情報によれば、怒った航空会社やゼネコンから高砂熱学は説明を求められ、幹部がその間を走り回り、内々に課長職以上の社員が集められ、羽田空港国際線ターミナルの天井を這いつくばって自らが手抜きをした箇所の脆弱性の確認をして回ったという。
 六月号でも指摘したが、ゼネコン汚職など大規模な摘発を受けて以来、建設業者は建築物の空調、水回りなど、いわば“内臓”の施工でカネを浮かせようと躍起になっているのだ。勢い、目につかぬ&ld・・・