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経済

デンソーを「見限る」トヨタ

次世代自動車で「ケイレツ」の終焉

2018年9月号

 トヨタ自動車が最大のグループ企業であるデンソーとの関係を大転換する可能性が出ている。電気自動車(EV)と自動運転という次世代自動車の要素技術開発でトヨタは世界の先端を走るIT企業との連携、協業が不可欠になってきたからだ。デンソーはトヨタグループの電子技術を担っているが、「現状の車の延長線上の量産技術」(トヨタ幹部)にすぎず、米NVIDIAやグーグルのように人工知能(AI)や車載CPUの開発競争で勝ち抜ける力はない。自動車のデジタル化の流れの中で、デンソーはトヨタから見捨てられ、独立系部品メーカーへと進むだろう。

電子部品でも脱トヨタ

「トヨタとデンソー両社は、主要な電子部品事業をデンソーに集約する方向で検討を開始することに合意した」。今年六月、突然発表されたトヨタグループの電子部品分野における再編は、自動車業界だけでなく、世界の電子産業にちょっとした波紋を広げた。
 トヨタが今後の自動車の競争力を左右する電子部品の開発・生産を自ら手がけるのではなく、グループ企業筆頭とはいえ、デンソーに集約すること・・・