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経済

《企業研究》東京医科大学

カネの亡者たちの腐った楽園

2018年9月号

一九一六年に開設された「東京医学講習所」を源流とする東京医科大学がひとしきり世間の関心を集めている。高級官僚の子弟の裏口入学、入試での女子受験者の一律減点。昭和のような「犯罪」がいまだに行われていたことに驚かれた方も多いだろう。
 そのうえ一連の不祥事を、臼井正彦前理事長自らが主導したというのだから開いた口が塞がらない。
 東京医大の寄付の相場は三千万~五千万円。ただ、「(大学入試センター試験によるマークシート方式の)一次試験から加点するなら一億円を超えることもある」(東京医大教授)という。
 今春の入試では六人、昨年は十三人が一次試験で加点されていた。二〇一七年度、東京医大が受け取った特別寄付金は約十四億円。大半が裏口入学に関わるものだろう。臼井も内部調査で「(裏口入学を続けた理由は)寄付金を集めるためだった」と説明している。
 ただ、この説明は額面通りには受け取ることはできない。なぜなら、臼井個人にも一件あたり数十万から数百万円の金が渡っていたからだ。
 臼井は金に汚い。学長を務めていた〇九年には医局員を派遣していた十の病院に対して・・・