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政治

西郷隆盛の「無私」がない安倍総裁

細川護煕(元首相)

2018年9月号

 ―安倍晋三首相が自民党総裁として「連続三期」に臨みます。
 細川 いったい、何をやりたいのでしょうかね。安倍首相からは、総理在任歴代一位とか、東京五輪をやりたいとか、私的名誉欲しか見て取れない。西郷隆盛のいうリーダーに最も必要な「無私」を感じない。
「無私」は謙虚さに通じ、人を見る目も培われる。首相の周りに忖度する人ばかりが集まり、率直に意見具申する人がいないのも、このためだろう。
 私が安倍政治に最も欠けていると思うのは、「情がない」ということだ。
 例えば沖縄。仲井眞知事の頃には大盤振る舞いしたのに、亡くなった翁長さんが普天間基地の辺野古移設反対を掲げると、知事が上京しても、首相どころか菅官房長官も会わない。振興予算も四年連続で減額した。かつて自民党には橋本龍太郎さんなど、「贖罪の心」をもって沖縄に接した政治家がたくさんいた。

 ―首相は「憲法改正」を自らの課題に掲げています。
 細川 首相は「戦後レジームからの脱却」と言うが、先の戦争と敗戦・・・