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社会・文化

大麻が「普通の娯楽」となる北米

新ビジネスに乱れ飛ぶ巨額マネー

2018年10月号

 専門家がソムリエのように語るうんちくを聞きながら、裕福な愛好家が香りを楽しむ。彼らが手にしているのは、ワインではなく大麻(マリファナ)―。
 北米では、こんな光景が早くも普通になりそうだ。日本では所持も栽培も厳しく禁じられているが、カナダや米国では大麻の合法化が進んでいる。犯罪と結びついてきた暗いイメージは、完全に過去のもの。一般市民が薬局や店で購入して、自宅で吸引できる州が増えてきた。酒やタバコと同様の嗜好品となってきた大麻の関連ビジネスも急成長している。
 医療大麻は既に各国で広がってきた。ドイツやイタリアで認められ、英国でも解禁される予定だ。娯楽用大麻は、米国ではオレゴン、カリフォルニアなど八州とワシントンDCで認められているが、連邦法では禁じられている。大きなはずみになるのが、十月十七日に全土で合法化されるカナダだ。ウルグアイに続いて二国目。合法化といっても、野放しにはならない。購入には年齢制限があり、販売店も管轄されている。公共の場での吸引は禁止され、自宅での栽培数も規制がある。
 大麻の危険性は、アルコールやタバコより低いという見方が、医学的・・・