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米経済「独り勝ち」はいつまでか

トランプの幸運「ドル黄金時代」の先行き

2018年12月号

 中間選挙を乗り切ったドナルド・トランプ米大統領に、「ドル黄金時代」という思わぬギフトが到来している。
 米経済の好調ぶりを背景に、円や人民元など他通貨に対して強いだけでなく、世界の基軸通貨としても盤石ぶりを強めている。トランプ大統領にとっては、再選を目指す二〇二〇年に向け、経済・財政政策のオプションが広がっている形である。
 トランプ大統領自身は、「強いドル」を嫌っているようだ。
 一ドルが百十四円を超すなど、ドル高が顕著になった十月には、「FRB(連邦準備制度理事会)はどうしようもないな」と、ドルの番人を痛烈に批判。さらにホワイトハウスの記者団の前で、「私のほうが連中より(経済を)分かっている」として、「強いドルは、商売に良くない」と語った。大統領に忠実なスティーヴン・ムニューシン財務長官も、弱いドルのほうが「米国の輸出には良い」と歩調を合わせた。

「強いドル」が生む桃源郷

 確かに、貿易収支統計を見ると、トランプ政権には焦る理由がある。
 大統領が世界各国に対して・・・