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経済

《地方金融の研究》百十四銀行

「セクハラ接待事件」の悪辣非道

2018年12月号

「減るもんじゃなし、少しくらいならいいだろう」「何をなさるんですか。触らないで。いやーっ!」……などといったやり取りがあったかどうかは知らない。現場で実際何が繰り広げられたのか、銀行側はいまだ真相を伏せたままにしているからだ。
 会長による「セクハラ傍観」事件が発覚した四国有数の地銀、百十四銀行。今年二月に行われた有力取引先との会食で、渡辺智樹会長(当時、現相談役)が同席させた二十代の女性行員に対する取引先の「不快な思いを抱く行為」(豊嶋正和取締役)を制止できなかったとして十月末、引責辞任に追い込まれた事件で、渡辺は兼任していた四国電力の社外取締役も辞任。十一月十六日付で香川県財界トップ、高松商工会議所会頭の座も返上した。
 また同じく会食に同席し、取引先の乱暴狼藉を目の当たりにしていながら「見て見ぬふりをしていた」(関係者)とされるもう一人の幹部行員、石川徳尚執行役員・本店営業部長も十月、愛媛の今治支店長に異動させられたうえ、その後解任されている。
 経営幹部が関与するセクハラは「立場上、被害者が泣き寝入りを余儀なくされ、表沙・・・

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