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経済

JXTG「ガソリン・灯油価格釣上げ」の悪辣

独占市場で「ボロ儲け」

2019年1月号

 十一月以降、原油価格が急落し、石油輸出国機構(OPEC)が減産を決めるなど産油国も悲鳴を上げるなかで、石油元売り最大手のJXTGホールディングスが高笑いしている。二〇一九年三月期決算の営業益は前期比三九・五%増の六千八百億円の見込みと絶好調だが、原油安でさらに大きく上振れするのが確実になってきたからだ。国内石油市場は四月に合併する「出光興産=昭和シェル石油連合」との二強寡占になる。ガソリン、灯油などの市況がコントロールしやすくなる。なかでも冬場の需要期入りした灯油が利益拡大の新しい舞台になりつつある、という。
 石油情報センターの調べでは、十二月十日の全国平均のレギュラーガソリン価格は一リットルあたり百四十九円。七週連続の値下がりで直近のピークだった十月二十二日の百六十円から大きく値下がりし、燃料費の高騰に苦しんでいたユーザーもほっと一息入れたところだ。原油価格(米WTI原油)が十月の一バレル七十ドル水準から五十ドル前後まで急落したことを反映した値下がりとJXTGはじめ石油元売り会社は説明する。だが、原油価格の値下がりほどにはガソリン価格が値下がりしていないことには口をつぐ・・・