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政治

《罪深きはこの官僚》義本博司(文部科学省高等教育局長)

医学部問題担当の 「接待大好き男」

2019年1月号

「不正はこれだけではない」
 都内の医学部受験専門予備校の関係者はこう指摘する。昨年十二月十四日、文部科学省は医学部の不正入試に関する緊急調査の最終報告を発表した。発端となった東京医科大学をはじめとして不正を認めた九校に加え、大学側は認めていないが文科省が不適切と判断した一校が公表された。
 しかし、女子受験生や多浪生が不利に扱われる大学が多くあることは業界では経験と情報に基づく常識だった。冒頭の予備校だけでなく、他の予備校などでも生徒に対してそうした指導をしている。前出関係者は「私たちがいままで嘘を教えて受験生を追い込んでいたとでも言うのか」と憤る。医学部がある国公私立大は全国に八十一校。そのわずか一割程度でしか不正がなかったという説明を信じている大学関係者は皆無だ。
 中途半端な調査でお茶を濁し、臭い物に蓋をしようとしたのが、調査を所掌する高等教育局の局長、義本博司だ。徹底的な調査をする気など毛頭なく、「大学側に『ない』と突っぱねられると、あっさりと撤退した」(社会部記者)のだ。
 義本は京都大学法学部出身。一九八四年に卒業し、旧文部省に入省・・・