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トルコから流出する 「エリート人材」

富裕層の「八分の一」が国を去る

2019年2月号

 トルコのレジェップ・エルドアン政権下で、エリート層と若年層の国外脱出が進んでいる。トルコ移民は従来、貧困から脱出するのが最大の目的だったが、今はエルドアン政権の強権政治に嫌気して出国する例が増えた。経済危機に頭脳とビジネスの流出問題が加わり、トルコ政府は頭を悩ませている。
 エルドアン政権を最も慌てさせたのは、モーリシャスに本部を置く「アフラシア銀行」が毎年まとめる、富裕層の人口動態だった。トルコは「百万ドル以上の投資可能な資産を保有する富裕層」の国外移住者数で、二〇一六年、一七年と連続してトップ5に入った。
 一七年で見ると、ともに人口十三億人以上の中国、インドに続く世界第三位。しかも、中国が一万人、インドが七千人程度の純減なのに対して、人口約八千万人のトルコは純減が六千人に達した。
 国全体でも富裕層の総数は九万人弱。一六~一七年の二年間でトルコの富裕層の八分の一が国外脱出したことになる。
 エルドアン大統領はカンカン。一七年の統計が出た昨春には、「あの世まで、お前たちを追い詰める」「どんな説明も受け入れることができない」と富裕層を口汚くの・・・